不動産売買契約の手付金について!3つの種類や相場も解説

土地購入

西田 実宏

筆者 西田 実宏

不動産キャリア39年

明るく元気に、そして賢くがモットーです。

不動産売買契約の手付金について!3つの種類や相場も解説

不動産の売買契約を結ぶ際、いつ、どれくらいの金額を支払うべきかという「手付金」の扱いに頭を悩ませてはいませんか。
手付金は単なる前払い金ではなく、万が一契約を解除する際にも重要な役割を持つため、知識がないまま進めると予期せぬ不利益を被る可能性があります。
本記事では、手付金の基礎知識や3つの種類、相場の目安にくわえ、トラブルを防ぐための注意点まで解説します。
後悔のない不動産購入を実現するために、売買契約を結ぶための知識として、ぜひご参考になさってくださいね。

手付金とは

手付金とは

不動産購入において、まず理解しておきたいのが、契約時に支払うお金の性質や役割です。
まずは、手付金の定義や役割といった基礎知識について、解説していきます。

手付金の定義と役割

手付金とは、売買契約の締結時に買主から売主へ支払われる金銭であり、契約を進める意思を明確に示す役割があります。
申し込み金や予約金とは異なり、法律上の効力を持つため、契約が正式に成立したことを証明する重要な証拠になります。
不動産取引は金額が大きく関係者や手続きも多いため、約束を曖昧にしない仕組みが欠かせません。
そこで手付金を授受することで契約成立を形にし、双方が簡単には解除しないという共通認識を持つことにつながるのです。
このように、手付金は売主と買主が安心して、次の手続きへ進むための土台として機能します。

支払い時期と充当

手付金は契約成立を示すために支払われますが、最終的には売買代金の一部として充当されるのが一般的です。
契約書上は一時的な預かり金とされるものの、残代金の支払い時に、売買代金へ充てる特約が設けられるケースが多くあります。
そのため、引渡し時には、物件価格から手付金を差し引いた残額を支払うだけで済みます。
あらかじめ充当の取り決めをしておくことで、資金計画が立てやすくなり、金銭のやり取りも整理しやすくなるのです。
支払いは原則として契約当日におこなわれ、手続きをその場で完了させることで、契約成立が明確になり引渡し準備もスムーズに進みます。

現金払いの注意点

手付金を現金で支払う場合は、契約当日に支払いを完了できるよう、事前準備が重要です。
高額になる場合は、ATMの1日あたりの出金限度額を超えることもあるため、事前に確認しておくことが欠かせません。
当日に慌てないよう、あらかじめ銀行へ連絡し、窓口での出金予約などの準備を整えておきましょう。
なお、現金は帯封がついた状態で用意すると、数え間違いを防ぎやすく、受け渡しもスムーズに進みます。
授受後は領収書を必ず受け取り、宛名や金額、日付を確認しつつ、必要に応じて振込対応が可能かを、不動産会社へ相談するのも一つの方法です。

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知っておくべき手付金の種類

知っておくべき手付金の種類

前章では、手付金の基本を述べましたが、実は目的によっていくつかの性質があることをご存じでしょうか。
ここでは、手付金の主な3つの種類と、それぞれの特徴について解説します。

3種類の法的性質

手付金には主に3つの法的性質があり、それぞれの違いを理解しておくことで、契約前の不安を和らげることができます。
同じ手付金でも、どの性質として扱われるかによって役割や取り扱いが変わるため、事前確認が重要です。
まず、証約手付は、売買契約が成立した事実を示すためのもので、双方の合意を明確にする役割を果たします。
次に、解約手付は、一定期間内であれば買主は手付金を放棄し、売主は倍額を返還することで契約を解除できる仕組みです。
不動産取引では、この解約手付が用いられるケースが多く、民法の考え方に沿った実務的なルールと言えます。
最後に、違約手付は、契約違反が生じた際に備え、損害賠償額の予定として手付金を充てる考え方です。

メリットとポイント

解約手付の制度があることで、万一事情が変わった場合でも解除条件が明確になり、買主は資金計画を立てやすくなります。
売主にとっても、解除のルールが整理されていることで、販売計画やスケジュール管理を進めやすい点がメリットです。
一方で注意したいのが、引渡し準備や登記手続きなどを開始した段階を指す、「履行に着手」という考え方です。
この段階に入ると手付解除ができなくなるため、契約書に記載された基準や期限を確認し、早めに担当者へ相談しておきましょう。
証約手付や違約手付としての性質も含め、手付金は契約の信頼性を支える重要な役割を担っています。

契約書の記載確認

契約書を確認する際は、手付金の金額だけでなく、どの種類の手付金に当たるか、解除期限や返還方法まで確認しておきましょう。
とくに、解約手付の場合は、解除が可能な期限と手続き方法が、あわせて記載されていることが一般的です。
解除期限は日付で定められているケースも多いため、カレンダーに記入するなどして、忘れないようにしましょう。
あわせて、解除の意思表示の方法や連絡先を確認しておきます。
違約手付の条項がある場合は、契約違反時に手付金がどのように扱われるのか、流れを理解しておくことが重要です。
なお、契約当日は宅地建物取引士と内容を読み合わせるため、不明点はその場で確認し、納得したうえで署名押印をおこないましょう。

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手付金の相場はいくら?

手付金の相場はいくら?

ここまで、手付金の種類や性質を解説しましたが、実際の支払い額についても確認しておきましょう。
最後に、一般的な相場や万が一のための保全措置について、解説していきます。

物件別の相場目安

手付金の相場は売買価格の5%~10%程度が目安で、物件の種類や売主の方針によって調整されるのが一般的ですが、売主が宅地建物取引業者の場合、手付金の上限が定められているのです。
新築マンションや新築一戸建てでは、販売スケジュールに合わせて、5%前後に設定されるケースが多く見られます。
一方で、中古マンションや中古一戸建てでは、引渡しまでの期間や条件に応じて、10%前後を目安とする例があります。
土地の売買では、測量や境界確認などの工程が多いため、契約の信頼を高める目的で一定額が設定されることが一般的です。
たとえば、3,000万円の物件であれば150万円から300万円が目安となります。
なお、売買代金へ充当される点を踏まえて、資金計画を立てることが大切です。

資金計画の相談

手付金に不安がある場合は、無理のない資金計画を立てるためにも、早めに不動産会社へ相談しておくことが大切です。
住宅ローンの事前審査を済ませておけば、資金の計画性が伝わり、売主との調整も進めやすくなります。
あわせて、現金か振込かといった支払い方法を事前に確認しておくと、契約当日の手続きがスムーズになります。
新築物件では、光熱費をシミュレーションし、総額負担を抑える工夫として活用すると良いでしょう。
手付金は契約への意思表示でもあるため、金額だけでなく期限や手続きを守り、信頼関係を大切に計画を進めることが重要です。

保全措置の仕組み

手付金は高額になることも多いため、保全措置を利用することで、取引の安全性を高めることができます。
保全措置とは、不動産会社などが保証機構や保険を活用し、万が一の場合でも手付金が返還されるよう備える制度です。
保証機構を利用すれば、所定の手続きを通じて、手付金の返還が円滑におこなわれる体制が整います。
また、信託口座を使い、第三者が一時的に資金を預かり、条件成立後に売主へ支払う方法が採られることもあります。
ただし、採用される保全措置は取引内容によって異なるため、契約前に不動産会社へ確認し、書面で内容を把握しておきましょう。

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まとめ

手付金は売買契約の証として買主から売主へ支払われ、契約成立を明確にし、解約時のルールを定める重要な役割を担います。
手付金には、証約手付・解約手付・違約手付の3種類がありますが、一般的な取引では、期限内に放棄や倍返しで解除できる解約手付として扱われます。
相場は売買価格の5%~10%が目安となるため、保全措置や資金計画も含め、事前に不動産会社へ相談しておきましょう。

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